水曜の夜。
誰かからか電話がかかってきていた。
「誰かな」
折り返してみる。こういうタイプの人間がワン切りに引っかかるんやろうな。
『もしもし、ヒューマンアカデミーの○○です』
はい?
ヤバい、誰?何!?どうしよう!!
混乱に陥ったちゃんかみは、自分に攻撃なんかをする前にこう言ってしまった
「もしもし、山本です」
誰だよ!友人にもいないよ!
山本!?俺山本になっちゃったよ!今更取り消せないよ!本名言い直したら
『山本さんではなくて?なぜ山本さんと名乗ったのですか?』
とかなりそうで面倒!
もういい、山本でいこう!!
「進学先は決まりましたでしょうか?それとも就職で…?」
話を早く終わらせたい。だったら「すいません、塾の休憩時間で…」などでも言ってすぐ切り上げられる。
ところがぎっちょん、混乱していた俺は電話を早く終わらせようと間違った事を言ってしまった。
「就職です」
「それはまた、どうして?」
「いや家計が厳しいので…」
嘘をバレないようにまた嘘。
話がどんどん展開されていく。
それにまた重ねる嘘。
家族は?とかバイトしてる?という質問に返すのは嘘。
自分とは真反対のえらい子にしてしまった。
結果、山本君の設定はこうなった。
ちゃんかみの友人。
23歳ニート兄、高一の妹、不景気で左遷された父、パートの母という家族構成。
バイト代の半分は家計に
勉強は平均的。
お金が無いので就職しようとしていた…
という設定。
名前は—
「すみません、お名前を伺っても?」
「ええ」
「山本…何さん?」
その時、目に飛び込んだのはバカテスだった。何を迷う!いけぇ!
「雄二です。山本雄二」
「ゆうじ…どう書くんですか?」
「ええと…ゆうはオスって書いて、じは2です。」
泣きたくなった。
騙すのは辛いし疲れる。
これできっと向こうの記録には【山本雄二】という存在しない海老名市の健気な少年が追加されたのであろう。
30分も嘘をつき続けた。
詐欺師にはひっくり返ってもなれないな…見ず知らずの人をだますなんてよ…
次回からは正直に「覚えがない」って言おう。
基本的に嘘は駄目や。
更新に間があきました。
まことにすいません。

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